「疲れ目」 と「眼精疲労」 の違い
- 疲れ目
休憩や睡眠によって回復するのが 「疲れ目」
- 眼精疲労
休憩や睡眠をとっても、目の症状や頭痛などが残る病的なものを 「眼精疲労」
眼精疲労に発展していたら、治療法を検討する必要があります。
症状
- 「目の症状」 と 「からだの症状」
- 眼精疲労には 「目の症状」 と 「からだの症状」 があります。
- 目の症状
目が疲れる、ぼやける、かすむ、目が痛い、充血する、
目が重い、しょぼしょぼする、まぶしい、涙が出る
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- からだの症状
かたこり、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気
原因
- 目の疲れやすい環境
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携帯電話、テレビ、パソコン、読書、勉強など、現代社会では疲れ目になりやすい環境です。
また、これらの「目」を使う環境で、
「暗い場所でのテレビ観賞」
「小さな文字を見る(携帯電話や読書など)」
「電車やバスの中など、振動のある場所での読書や携帯電話の使用」
は、さらに目に負担がかかり眼精疲労を引き起こします。
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- コンタクトレンズの装用時間が長い場合も目に負担がかかり、疲れ目や乾き目を感じることが多くなります。
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- 仕事による過労や、精神的なストレスなどの心的要因で、眼精疲労が起こることがあります。ストレスの影響は、不安感やイライラ、眠れないといった精神的なことに現れる一方で、からだに対しても、高血圧、血行不良、胃潰瘍といった多様な病気を引き起こします。その一つとして、眼精疲労が起こることがあります。
- 睡眠時間の減少
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近年では夜型の生活をする人々が増えてきています。日中に酷使した目を休めるための睡眠時間が大幅に削られてしまうという状況も、目の疲れを感じるようになった大きな原因といえるでしょう。
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- 睡眠時間の減少 → 目を休めることができず、疲れ目になってしまいます。
- 屈折異常(近視・遠視・乱視)や調節異常(老眼)
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- メガネやコンタクトレンズが合っていない場合や、40~50代の人で目の調節力が落ちてきた人も、無意識に目を酷使しがちです。
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- 無理してピントを合わせようとすることで、目のレンズである「水晶体」やレンズを支える「チン小帯」「毛様体筋」といった結合組織や筋肉も、疲労を起こしてしまいます。
- VDT作業などの環境要因
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- VDT作業(Visual Display Terminals)とは、ディスプレイやキーボードを使用した作業で、一般的にはコンピュータを用いた作業のことです。
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- 同じ姿勢で長時間にわたり画面を見ることは、同じ距離で長い時間「目」のピントを合わせたままということになり、目の機能がフリーズしてしまいます。この状態をピントフリーズ現象といいます。
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- 一定の距離で目の機能がフリーズすると、それ以外の距離にピントを合わせようとしても合いにくくなり、遠くがしばらくぼやけた感じになるという症状がでてきます。
- 病気から生じる場合
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- 緑内障では眼圧が上がり、その結果、目の疲れを感じることがあります。一般的に緑内障は徐々に症状が進行するため、視野の欠損などの自覚症状に気付いたときには深刻な状態に達していることが多い病気なので注意が必要です。
眼精疲労の予防と対策
- メガネの注意点
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近視の場合は、普段使っている眼鏡よりも度が少し弱いものを使って下さい。
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- 遠視の場合は、少し強めの眼鏡を使うのが理想的です。
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- 老眼が出始める40代以上の方は、眼精疲労を防ぐ意味でも、パソコン用・遠く用・近く用の3つの眼鏡を使い分けることをおすすめします。
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- 長時間パソコン作業をされる場合は、パソコン用に中間距離用の眼鏡をご用意していただくのが理想的です。
- コンタクトの注意点
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人工涙液で目を充分に潤しましょう。
コンタクトレンズを使用すると角膜の知覚が低下し、涙液の分泌が減少し、涙液の蒸発も招いてしまいます。帰宅したらすぐにコンタクトレンズを外し、眼鏡を使用するなど、目を休めてあげましょう。
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- 過矯正(強すぎる度数)にならないよう、眼科で検査をして、コンタクトレンズを選びましょう。
使い捨てコンタクトレンズの普及で、少し見難いだけで気軽に度数を上げていってしまい、結果的に過矯正(強すぎる度数)になっている方も多くみられます。過矯正の場合、目の中のピントを合わせる筋肉を常に多く使って見なくてはならず、疲れ目から眼精疲労に発展することがあります。
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- VDT作業(コンピューターを使用した作業)は、まばたきの回数が減ってしまいます。まばたきの回数が減ると、目の乾きが促進されてしまい、ドライアイになる可能性が非常に高くなります。VDT作業において、まばたきの回数が減っていると感じていらっしゃる方は、人工涙液で目を十分に潤してあげましょう。
- VDT作業時の注意点
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- VDT作業(コンピューターを使用した作業で、パソコンのディスプレイ・テレビ・携帯電話・電子辞書なども含まれます)を長時間行うことは、視線はディスプレイ、キーボード、資料などの間を絶えず行き来するため、目はそのつどピント調節を行わなくてはなりません。よって疲労が起こりやすく、目の痛みや充血、かすみなどの症状が現われます。
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- ドライアイの関与も重要視されています。
ディスプレイを凝視している際、意識してまばたきをしないと、まばたきの回数は通常の4分の1以下と激減してしまいます。
そのため、涙の供給が減るうえに蒸発する分が増え、目の表面が乾いた状態になってしまい、ドライアイになりやすくなります。VDT作業において、まばたきの回数が減っていると感じる場合は、人工涙液で目を十分に潤してあげましょう
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- VDT作業を長時間行うことで、目や体、心に支障をきたすことを「VDT症候群」または「テクノストレス眼症」といいます。症状としては目の疲れ・痛み・かすみ目・肩こり・イライラ・頭痛などで、ほとんど眼精疲労と一致しています。
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- VDT症候群(テクノストレス眼症)の症状は目だけにとどまらず、身体や精神面に様々な症状が現れます。身体に起こる症状では、血流障害によって起こる頚肩腕症候群で、主に首や肩の凝りを強く感じます。また、腰痛や手指のしびれ、震え、胃腸不良みられます。精神面では、抑うつ感や倦怠感、不安緊張のほか、イライラしたり、食欲に異常が起こる摂食障害、不眠などがあるので、慢性化しないように気をつける必要があります。

- 目の疲れをとる眼球体操
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- 眼球体操は眼球とその周辺の滞った血行を促し、緊張しきった毛様体筋を柔軟にします。眼精疲労を回復させる働きがありますので、ぜひ実行してみましょう。
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- 目をかたく閉じる。

- 目をパッと開く。
- 視線だけを左を向ける。
- 視線だけを右に向ける。
- 同じく、上に向ける。
- 同じく、下に向ける。
- 目を休ませる
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- ホットパックで目を癒してあげましょう。
眼球や眼球周囲を温めると血流が良くなります。疲労物質をなるべく取り除き、筋肉を柔らかくしてあげましょう。ホットタオルや市販のホットパックで、目の周りを毎日1~5分温めてあげます。パソコン作業や読書の合間、または就寝前に温めるのも効果的です。
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しっかり睡眠をとって、目だけでなく体力も回復させてあげましょう。
睡眠は大変重要な予防のひとつです。最低6、7時間は睡眠をとるように心がけましょう。
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- 目を閉じると防御反応で眼球がまぶたの上の方に向き、寝ている間に何かが刺さっても黒目は傷つかないようになっています。起きている時の状態とは違って眼球がまぶたの上の方に向くことで、筋肉がリラックスできるようになっています。
また、まぶたを軽く閉じると光を少し感じますが、熟睡して黒目がまぶたの上に行けばほとんど光を感じなくなります。この眼の中に光が入ってこない状態というのも、眼球のリラックスにつながります。
- 食べ物で予防
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ビタミンA(目の細胞や粘膜の新陳代謝の維持に欠かせない)
【含まれる食品】
ニンジン、小松菜、レバー など
- ビタミンC(水晶体の透明度を保ち、白内障を予防する)
【含まれる食品】
キウイ、ピーマン、グリーンピース など
- ビタミンB群(疲れ目の回復、充血をしずめる、視力低下予防につながる)
【含まれる食品】
うなぎ、海苔(のり)、いわし など
- ビタミンE(目の血液循環をよくする)
【含まれる食品】
アーモンド、落花生 など